2015年元旦 「強者と競争の社会ではなく、弱者を包み込む政治へ」

鶴岡八幡宮へ初詣

朝起会に参加
平成27年1月1日(木)

 新年おめでとうございます。2015年の元旦は実践倫理宏正会の朝起会、鶴岡八幡宮へ初詣からスタートしました。皆様の声を原動力に様々な壁を乗り越え、「苦難福門」となるよう力を尽くしてまいりますので、引き続きのご指導をよろしくお願いいたします。

 タウンニュース元旦号に県政報告が掲載されました。『「強者」と「競争」の社会ではなく「弱者」を「包み込む」政治へ』と題し、2015年を迎えた私たちが目指すべき社会とは?一部抜粋しながら私の所見を述べたいと思います。

 年末の衆院選の与党圧勝という結果により、国の政策はこれまで以上に強行しやすい状況になりました。税制改正では法人税減税成による経済再生、贈与の優遇策を柱に消費のてこ入れを掲げています。結婚や子育てにも最大1千万円の非課税枠を設けるという。海外に住む知人は「多くの利益を得た人が社会に寄付をするための控除や非課税ならわかるけど、何をめざすのか理解できない」と話していました。

 富裕層に対する減税や景気対策の一方で、選挙後に早速出てきたのが「介護報酬・障害者福祉報酬の引き下げ」方針です。民主党は年末の24日、厚生労働省へ方針の撤回と報酬引き上げを求める申し入れを行いました。

 介護人材が不足して現場では悲鳴が上がっているのに、引き下げとはどういうことなのか。消費税を8%に増税したのは社会保障の充実拡大のためだったはず。介護報酬を引き下げても、介護職員の処遇改善(賃上げ)は行うと報じられていますが、現状でさえ厳しいのに現実離れしていると言わざるをえません。


 まだ成長戦略?同志社大学教授の浜矩子氏は「日本経済はもうおとな。発達過程ならば成長が必要であるが、成熟しているのにまだ成長戦略ですか。お年寄りにドーピングして、100mを9.9秒で走れというようなもの」と断じています。

 小泉改革の時代から、コップの水がいっぱいになればあふれるように、株高などの恩恵に浴した富裕層から富がしたたり落ちる「トリクルダウン」が効果的とされてきましたが、コップそのものが大きくなってあふれない。強いものは強く、弱い者はそのままにしておく。その結果が格差の拡大につながったのに、本質にはふたをしたまま、その場しのぎの低所得者対策が取られています。

 しかし、子どもの貧困率は1958年以降悪化が続き、2012年には過去最悪の16.3%に。国民1人当たりの平均所得の半分(12年には122万円)にも満たない家庭で暮らす子供が、6人に1人というのが、、格差社会の現実を表しています。

 低賃金の非正規雇用増大の問題、貧困をなくすための公的資金が欧州の半分にも満たない日本の現状に真剣に向き合わなければ、子どものいのちを守ることさえできません。昨年、厚木市で男児が白骨化して見つかる痛ましい事件がありました。住所もわからない、無戸籍の「居所不明児童生徒」が文部科学省の調査で1491人にのぼることがわかりましたが、それも氷山の一角にすぎないかもしれません。

 「子どもの貧困対策法」が成立し、「子どもの貧困対策大綱」が閣議決定され、神奈川県でも「子どもの貧困対策推進計画(仮称)」の策定が進められています。都道府県別や年齢別など詳しい実態調査が必要不可欠であり、福祉と教育の綿密な連携、制度予算の拡充などきめ細かい対策に対する国への強い働きかけを求めます。

 1月18日には民主党の代表を選ぶ選挙があります。経済成長の夢ばかりを追い続けるのではなく、生産年齢人口の減少、現役世代が増えない中で、どのように生きがいのある成熟社会の道を描くのか、未来を担う子どもの成長や若い人の雇用をどのように守るのか、語れる人を選びたい。


 

1