安全安心推進特別委で地滑り対策を調査

平成25年11月27日(水)

 11月25日〜27日まで3日間、安全安心推進特別委員会の調査で、沖縄県の石垣海上保安部、沖縄県土木建築部、沖縄防衛局において、以下の調査をしてきました。神奈川県政の地震災害対策、治安対策、米軍基地問題対策の参考に、取り組みます。

11月25日 石垣海上保安部

石垣島海上保安部の領海警備を説明していただきました。巡視船「よなくに」

 沖縄本土から400kmに位置する石垣海上保安部は、日本の最南端で、石垣島、竹富町、与那国町、宮古島市と広範囲を管轄しています。

 また、中国、台湾との国境に接し、170kmに位置する尖閣諸島等の領海警備、海上犯罪
の摘発、海難救助、急患搬送など海上全般の重要な任務を担っています。銃密輸の検挙、珊瑚の密漁、シラスウナギの密輸などの検挙も。
 
 停泊中の巡視船「よなくに」を見学させて頂きました。台風の多発地域での海難防止や高速船とはいえ、外国漁船による不法操業や外国調査船の監視、取り締まりなど、24時間気の抜けない命がけの業務です
。領海の安全に日々尽力されていることに敬意を申し上げます。

11月26日 
中城村安里地区(地滑り対策)

上に見える村道も寸断。住宅は被害を免れました。

斜面の下方には県道が通り、人家が密集していました。梅雨の長雨により発生した地滑りは長さが500mに及びました。

 中城村安里(なかぐすくそんあさと)地区で、沖縄県土木建築部防災班の与那嶺さんより、平
成18年に発生した大規模地滑りについて説明していただきました

 6月10日の集中豪雨は88mm、注意報が発表。地滑りは10日、12日の2回続き、崖崩れは長さ335m、地滑り幅最大260m、地滑り土量は34万立米に達し、村道、県道が寸断されました。
村道沿いの住宅が、間一髪で被害を免れたのが幸いでしたが、82世帯が避難しました。村道の一部に亀裂が見られたものの、予兆はなかったそうです。

 20年までの災害復旧工事の総事業費は28億円。8割が国庫事業です。地滑り地の地盤は、島尻泥岩からなり、小断層の弱い地質で、連続降雨により地盤内の間隙水圧が上昇したといわれます。

 大島の土砂災害では多くの方が犠牲となられ、避難警報のあり方、住民の危機意識など新たに考えさせられることが数多くありました。神奈川県内にも、土砂災害危険区域が広くあり、自然の猛威と防災対策の重要性を再認識しました。

北谷町宮城海岸(高潮対策)

堤防がカーブし、空洞になっているのは高波の抵抗を弱めるため。


堤防の上部は広い遊歩道で、観光スポットになっています。

 東シナ海に面する北谷町宮城海岸は、しばしば高潮が従来の堤防を越えて住宅地まで浸水する被害に襲われました。海岸一帯は、以前リーフ直前まで埋め立て造成が行われ、付近は住宅密集地となっています。

 そこで、高潮対策として高さ3,8m、全長1540mに及ぶ堤防を、平成16年から10年計画で整備。堤防上部はタイル張りの遊歩道に。ダイビングスポットでもあり、休日には多くの人々が訪れます。...

 26年度完成予定で、総事業費は16,5億円。9割が国庫補助です。景観面、費用面などで神奈川ではむずかしい面もあると感じましたが、色々な手法を参考に津波対策を検討しなければなりません。


11月27日 沖縄防衛局(米軍普天間飛行場)

米軍普天間飛行場。右前方にオスプレイ。

 沖縄防衛局にて、米軍施設全体の74%を占める沖縄の状況、航空
機関連の騒音問題と対策を説明していただきました。

 平成8年に日米間において、「嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合同委員会合意」が結ばれ、夜間飛行など多少の改善は見られたものの、依然として両飛行場周辺の騒音問題はきびしい状況です。毎日20回〜50回という飛行訓練による騒音苦情は絶えません。

 そこで、住宅や学校など公共施設の防音工事について、防衛局が助成を行っ
ています。対象世帯の95%が実施済み。25年度の予算は70億円。住宅、学校等について工事費用100%を補助する仕組みです。学校についてはエアコンの電気料金の基本料も助成しています。

 その後、市街密集地の真ん中にある普天間基地を、高台の公園から見学しました。配備されたオスプレイも見えました。市街地にある厚木航空基地と同様、航空機の安全性、騒音問題は深刻です。

 国は普天間飛行場の返還、名護市辺野古への移設を進めています。人口の9割が集中する中南部地区から北部の辺野古へという代替策ですが、本日、地元名護市の稲嶺進市長が辺野古沿岸部の埋め立て申請への反対意見を正式に表明しました。普天間基地を遠くから眺めただけでは言及できない、重い課題です。


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