北鎌倉「明月荘」 民間団体と保全・活用を実現!

平成25年4月29日(月)


 県所有の鎌倉市山ノ内にある「明月荘」については、1月24日のブログでご報告した通り、倒木による屋根の損壊が喫緊の課題です。2年前に保全・活用の陳情が提出されて以来、民主党議員団として委員会質疑を行い、経過を見守ってきましたが、ようやく県と民間団体との協働事業による保全活用が決まりました。

 明月荘は30年間鎌倉市に貸出し、社会教育施設として一般開放されてきました。広大な庭園と茶室を有する旧個人宅は、昭和初期の文化を伝える建物ですが、老朽化が激しく平成22年に閉鎖。県は維持管理上、保存が困難としていましたが、利用者や地元から強い存続要望や陳情も出されたことから、保全か否かを検討してきました。

 閉鎖後、民間団体「神奈川まちづかい塾」が庭園の草取り、木々の伐採などを行い、荒れ放題になっていた庭園がよみがえりました。地元の方々を中心とする熱意あふれる取り組みの成果に他なりません。

 そうした矢先の1月、予想外の大雪が降った翌日、元々心配されていた山の大木の枝が折れて、建物の屋根を直撃するハプニングが発生。明月荘の緊急的な判断が迫られる中、自然環境保全課、都市整備課、横須賀三浦県政総合センター等とまちづかい塾が協議を続行。

 その結果、県とまちづかい塾との間で、4月24日に「北鎌倉明月荘県民協働事業協定書」を取り交わし、明月荘の保全利活用を進めていくことが正式に決まりました。25日のお披露目には100名余が来訪されたそうです。「古都鎌倉の風致の保存」という目的のもと、10年間で建物を再生させるとともに、緑地の維持管理を行うものです。

 民間団体の熱心な取り組みに後押しされる形で、県が協働事業という方針に踏み切ったことは評価しています。しかし一方で、協定書の中身、特に事業内容、活動資金について懸念される課題もあります。

 分担する事業のうち、建物の修繕や庭園、山林の維持管理など主な事業は同団体が行い、実施に必要な資金、資材、その他経費は自らの負担である点、県の役割は事業の技術的支援、情報提供等に特化されている点などです。

 今回、屋根の緊急補修についても、同団体の努力により「日本古民家保存協会」から工事費200万円の支援を受けることが決まりましたが、県所有の建物の補修くらいは、県が責任を持って実施すべきではないでしょうか。また、長年活用してきた鎌倉市も、協力体制が必要です。

 団体会員の方々は手弁当で汗をかいて、これまでも取り組んでいます。県は費用面も全て「おんぶにだっこ」ではなく、県有地としての責任を持って共に働いていくことを期待しています。


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