湯畑に人力車走る

平成21年7月28日(火)



 湯気にほっとするのは日本人だけではないでしょう。ヤカンから上がる蒸気、肉まんをふかす湯気、そして一番はお風呂の湯気。その元祖のような湯けむりが、草津の湯畑にはもうもうと立ち上がり、周りには引き寄せられるように人々が集まります。

 今年の草津の広告はシンプルです。白地に墨水画の湯畑、ひとこと「良質主義」と書かれています。白根山の麓に毎分4000ℓといわれる大量の湯があふれ出る湯畑です。

 夏季シーズンの恒例となっているのが、有風亭の「湯めぐり人力車」。人力車出発式に参加させていただきました。無料乗車会は大勢の家族づれで賑わい、硫黄の匂いを乗せた風が心地よく流れます。

 日本旅館が結成する「和風村」は、伝統的なもてなしを大切にしています。ご主人たちと意見交換をする折に、いつも感じることです。「旅館の湯めぐりに人力車」という発案も、そのひとつです。

 6月からは「傘の駅」が始まりました。土産店や旅館にある傘立てから、誰でも自由に借りて返すことができます。とても温かい取り組みですが、1週間で600本の傘が未返却のままと聞いて残念でした。

 しかし、「良質主義」とプリントされた白い傘は宣伝効果が高いはず、と草津の人々は気にもとめない様子でした。その昔から、町の共同浴場を無料で開放してきた懐の深さを感じました。

 45度以上のかなり熱い湯に3分入る「時間湯」は、草津伝統の入浴法です。「毎日入っていると肩こりもなくなりますか」と聞くと、「生まれた時からだから、効能はわからない」との答え。なるほど、納得。

 町の目玉の一つ、「草津片岡鶴太郎美術館」へ。隣接する草津ホテルが経営していますが、季節ごとに内容が充実していて楽しみです。必勝を期して、とんぼの色紙をお土産に買いました。梅雨空にもかかわらずさわやかな1日でした。
 

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