湯畑の風をうけて

平成18年7月27日(木) 



 全国随一の温泉湧出量を誇る草津町を訪ねました。群馬県草津町は白根山を望む標高1200mの高地にあります。その驚くばかりの湯量に「ほかの温泉は何だったの?」。その大源泉が写真です。毎分4,500ℓ、50℃の温泉を木桶を通して冷ましながら旅館や外湯へ送っています。

 涼しい避暑地としてこれからが夏本番の観光シーズンです。その皮切りに、夏休み恒例の人力車有風亭の無料乗車会がありました。有風亭の青木さんが、町おこしを狙う草津から夏場の営業を依頼されて20年近くなります。温泉町の顔として、弟子である3人の若者らとともに湯の町を走ります。

 青木さんのご縁で老舗旅館の経営者、旦那衆と懇談会をさせていただきました。20年前温泉町の危機に直面した時、家族経営の伝統ある14軒の旅館が集まって、町を活性化しようと作ったのが「和風村」です。

 「和風村」では内湯めぐり手形や温泉祭り、観光人力車などアイデアを出し合いながら、丁寧な接客業で湯の町をリードしてきました。人をもてなす心は自然で、チームワークの良さが財産です。姉妹都市の葉山町とは町民同士の交流も盛んです。

 観光地としての悩みは、やはり車の渋滞や派手な看板。渋滞緩和のために連休やお盆中は町なかへの車両規制をしています。看板や自動販売機については、企業との協働によって色やデザインを押さえてもらう鎌倉の取り組みを紹介しました。下の写真は「せがい出し梁造り」の建物。白壁に黒い梁が美しい宿と湯畑にふさわしいまちづくりに、ぜひ取り組んでほしいと思います。



 中澤敬町長は「スポーツと文化のまち」を目指し、サッカーチーム・ザスパ草津を誕生させました。世界から一流の音楽家を招く国際音楽アカデミー&フェスティバルも26年のロングセラー。好評の街角コンサートは、鎌倉でもやってみたいイベントです。

 「地域に密着したわがまちチームになるために、選手は地元の旅館などで働きながら頑張っています」と、ザスパ・チャレンジャーチームの佐野達監督。2年前にj2昇格を果たし、経済効果は抜群です。

 人口8,000人の小さな町に、年間300万人の観光客が訪れます。近年は中国や韓国からのリピーターも多いそうです。観光産業にたずさわる人が町民の大半を占めるこの町の憲章は「歩み入る者にやすらぎを、去りゆく人にしあわせを」。幸せをいただいて帰途に着きました。 


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